巨人軍奮闘記-「希望はないが、金ならある」-

プロ野球、とりわけ読売ジャイアンツについて語ってます。

巨人軍、待望の若手の台頭 -岡本和真-

巨人軍、待望の若手の台頭 -岡本和真

 

 「読売ジャイアンツは若手が育たない」

 そう言われ続けてもう何年も経っただろう。

 しかし、2018年のジャイアンツは今までとは違う。そう思わせてくれる若手に着目して書いて行こうと思う。今回は岡本和真編。

 

 2014年、読売ジャイアンツのドラフト1位指名を受けたのは大田泰示以来の高卒野手だった。大田泰示東海大相模高校から巨人軍へ入団し、背番号はなんとあの松井秀喜が背負った「55」番だった。期待の大きさを語るには十分すぎる背番号。その重圧に苦しめられた大田は結局巨人では花を咲かすことなくトレードにより移籍してしまった。

 同じように岡本も期待され、重圧に苦しめられてしまうのではないか。長嶋終身名誉監督の背負った背番号「3」と当時監督を務めていた原辰徳元監督「8」

を合わせた「38」を背負い、入団した彼に巨人ファンは不安と期待でごちゃごちゃになっていたはずだ。

 むしろ大田泰示の例からして巨人で高卒野手は無理だろう。大型の大砲素質型は巨人では育てることができないはずだ。そんな風に悲観的にドラフトを見つめていた方も多いかもしれない。

 事実、入団以来1年目こそ巨人では松井秀喜以来の高卒1年目ホームランを放ち、華々しい1年目を過ごしたに見えたが以降のシーズンでは期待に応える活躍をすることはできなかった。

 

 しかし今シーズンの岡本和真は一味違う。昨年オフにベテラン村田修一戦力外通告を言い渡し、若手育成に舵を切った読売ジャイアンツの顔として岡本は大きな期待を背負った。背番号も村田がつけていた「25」番に変更し、キャンプから1軍に抜擢され、オープン戦では4本塁打に12球団トップの15打点と活躍をした。

 オープン戦の活躍が認められ、雲の上すぎる大先輩・阿部慎之助との開幕ファースト争いを見事に制し、6番ファーストでシーズンを迎えることとなった岡本。

 開幕戦こそ快音を響すことは出来なかったが、続く2戦目には4打数4安打1ホーマー5打点の大活躍。プロ入り初の猛打賞を記録した。以降も勝負所で力を発揮し、打線好調の一因となっている。

 滞空時間の長い放物線を描いたホームランは間違いなく持って生まれたアーチストとしての素質であり、大砲候補として素晴らしい活躍を見せてくれている。

 変化球に体が突っ込んでしまったり、読みを間違えて差し込まれる場面も多々見受けられるが、それでも全力フルスイングを貫いている姿勢は昨年まで「コンパクト」を死ぬほど見せられていたファンからしたらこれほど嬉しい若手の姿は無いはずだ。シーズンを通して活躍することの難しさはいずれ訪れることだろう。しかし、それを乗り越えなければレギュラー野手として将来はない。乗り越えさせてあげられるように首脳陣には辛抱強く起用していただきたいし、岡本自身もこいつならやってくれると見せつけて欲しい。

 

 巨人の未来は岡本にかかっている。