巨人軍奮闘記-「希望はないが、金ならある」-

プロ野球、とりわけ読売ジャイアンツについて語ってます。

読売巨人軍 -賛否両論?FA歴史-

読売ジャイアンツのFA歴史

 

FA権とは

 FA権とは選手にとっては大金や長期契約など選手にとって有利な契約を得るビッグチャンスである。プロ野球選手と言えども長期による活躍が出来る選手は少ない。毎日のように試合に出ることは勿論、高い水準で成績を残したり、レギュラーでなくともスーパーサブとして長期に渡ってチームから第一優先に控えとして起用してもらえるような高水準のプレーをしなくてはならない。そのためFA権を獲得した選手たちは野球少年の憧れでもあり、野球界をリードして来た選手のためのご褒美のようなものだ。特にドラフトで自分が行きたい球団をマスコミに発表などしようものなら総スカンを食らうこのご時世、行きたい球団を言える唯一の機会と言っても過言ではない。

 FA権利を獲得した選手たちの反応は実に様々だ。育ててくれた球団に対し生涯〇〇などと言って球団に敬意を示す選手や、少年時代からファンだった球団に行きたい選手、所属している球団がポスティング移籍を認めてくれないが故に海外FAまで待ち、やっとの思いで海外挑戦をする選手(上原さんありがとう、、、)現在所属している球団よりもスタメンで使ってくれそうな球団を希望する選手。そして強い球団、ブランド力のある球団、金満球団に移籍したい選手。晩年は故郷での活躍を目指す選手や家族一緒に暮らすためなど風土による志望動機などもある。

 このようにざっと挙げただけでもこれだけの理由がFAには存在するのだ。それぞれの思いが交錯し、残留交渉で難航したり、希望球団と合致したことでようやく入団が正式に決まるFAにはドラフト会議にも勝るとも劣らない球団による戦略的ドラマが待っている。今回は巨人の加入して来たFA選手たちに焦点を置いて書いていこうと思う。

 

FA初年度-2000年前半加入の歴代選手たち

 巨人に初めてFA加入して来た選手を皆さんはご存知だろうか。三冠王で御馴染みの落合博満である。ロッテ、中日の選手として活躍していた落合氏はFA制度が誕生した年に権利を行使し史上初のFAで巨人に加入した選手となった。FA制度初期の巨人が獲得した選手の多くは元所属球団の顔と呼べる選手だった。言い換えれば代わりがいない選手を巨人は獲得していたのだ。先に挙げた落合博満、元ヤクルト広澤、元西武清原、元ダイエー工藤、元広島江藤など正直巨人のイメージよりも全所属球団のイメージが強いのは否めないが強力な打撃、エースを任せられる投手を獲得していた。2005年オフに獲得した豊田は巨人の中継ぎエースとして2007年からの連続優勝に大きく貢献してくれた。

 このような以前のFA選手たちは一定以上の活躍を前所属球団で数年にわたり連続して活躍していた。それが「信頼」と「実績」を生み出し、当時の巨人ファンの多くが活躍を信じて疑わなかった。そして加入して来た選手も全盛期から衰退期にかけての成績の右肩下がりはあったものの巨人の戦力として数年活躍してくれた。古き良き巨人の「強奪」と呼ばれた時代にはしっかりと「強い」選手を「奪う」巨人のFAらしさが現れていた。 

近年のFA加入選手 

 巨人にFAで加入して来た選手は計23人いる(2017/11/18現在)。 昨年には史上初の同年3人獲得をしたり何かとFAによる戦力補強が多いイメージのある巨人のこの数字に読者の皆さんはどのような印象を持っただろうか。個人的には多いと思う。1993年オフにFA制度が誕生してまだ20数年。毎年一人は獲得しているような計算だ。しかし、近年FAによる戦力補強が特に目立っている気がする。

 FAが誕生した年から2006年までの間、巨人は他球団のエースや4番を補強して来た。これには「エースと4番かき集めても優勝できねぇのかよ」と言ってくるアンチの言い分もわかる。だが2009〜2016までにかけてのFA補強はどうだろうか。2012年に横浜の4番村田、ソフトバンクのエース杉内をW補強した年以外のメンツはアンチの皆様が憎むほどの選手かと言うとそうでもない(失礼)。

 以下の表は

巨人 FA選手獲得リスト 〜my favorite giants〜さんを参考にさせていただいた近年のファ加入選手の表だ。

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近年獲得した選手一覧


 見てわかる通り4番やエースを獲得するFAは終わった。村田・杉内を除き、チームのクリーンアップや先発として15勝期待できる選手は獲得できていない。自前で育ててチームに座ってもらうの主流の現代プロ野球では昔ほどFA市場に一流のスラッガーやエースが流れてこなくなったのだ。また、来年の戦力として確実に計算できる選手もいない。そんな選手ばかり獲得しているからか「引き取ってくれてありがとう」などとアンチから感謝されるFAになった。それもそのはず。30半ばの選手やピークを終えた選手、衰えの見えて来た選手を積極的に獲得しているからである。そして更に引き取ってもらった側(つまり元所属球団)には人的補償として巨人のプロテクトから漏れた若手やまだ使える中堅が流出するのだ。FAの特性上仕方のないことではあるがこうも何年も続けて介護と人材流出を繰り返していけばチームの力は衰えていくのは必至だ。

 更に問題なのは小笠原道大以来、全盛期並の活躍をしている選手が誰一人といないことだ。杉内と村田はこれまでに巨人で2桁勝利や2桁HRなど活躍はしてくれたが、全盛期並みと言われれば少し頷けなくなる。当然FA取得には時間がかかる。つまり年齢をある程度は食ったことを承知の上で巨人は獲得して来た。年齢を重ねるほどに運動能力は年々下がるのは仕方がない。しかし、巨人には小笠原道大という前例がある。2007年に加入した小笠原道大は2007年に34歳の年齢を迎えていた。年齢で2012年に移籍して来た村田の方が若く入団している。それにも関わらず小笠原道大は移籍初年度からMVPを獲得した。統一球に苦しみ、一気に成績が下がってしまったがそれ以前、2007-2010までの活躍は巨人のV3や常勝軍団としての精神的支柱となっていたのは確かだ。その小笠原コンプレックスをいつまでも巨人は持っている。いい加減小笠原道大の幻影を追いかけるのはやめて小笠原道大を育ててみようと改心してもらいたいと心の底から願う。

 

今後願うFA戦略

 正直巨人に対してFAで選手を取らないでなんて願うのはバカかにわかのどちらかだと思う。もちろん理想はそれだがあくまでそれは理想。現実問題あと30年くらいしないと巨人の体制は変わらないと思うし無理に変えろなんて言える立場ですらない俺らはただの1ファンでしかない。

 でもバカだにわかだと言われてでもいいから、生え抜きの若手で優勝してみたいと言ってみたい。そのためには有望な若手をしっかりとプロテクトすることが大切なのである。どの選手を取れ、この選手は取るな、ではなく今いる専有若手選手を守ることを第一に考えた上でFAをうまい具合に利用してもらいたいものだ。使えないFA選手は見切って人的補償の第一候補にするくらいの球団の姿勢を見してもらうたいものだ。まぁそんなことしたら誰も巨人に来なくなると言われちゃうけどね。。。FAもファン同士の意見交換も難しい世の中だな。。おしまい。